手荒れが気になり、食器洗い洗剤を比べてみました。手にやさしそうな洗剤3種類!

シンクのイラスト キッチン

毎日何回もする食器洗い。手荒れをしないためには、洗剤を使う時に手袋をはめるのが一番良いのですが、

頻繁に洗い物をしたり、調理中にさっと洗いたい場合などは、いちいち手袋をするのが不便で素手で洗うことも多いと思います。

そこで、少しでも皮膚のダメージが和らぐよう、手にやさしい洗剤を3種類ピックアップして、自分なりに感じたことをまとめました!

食器洗い洗剤で手荒れをしてしまう理由

皮膚には皮脂が分泌され、肌を刺激やダメージから守っています。

しかし、洗い物をしていると界面活性剤の働きにより、多かれ少なかれ皮膚に影響があります。皮脂が流れたり、活性剤の種類によっては皮膚のタンパク質を変性させたり。

バリアの弱くなった手は、空気中の様々な物質や摩擦、病原菌などにさらされ、ダメージを受けやすくなり、アカギレや湿疹などにつながる場合も。

界面活性剤にはたくさんの種類があり、食器洗い洗剤は、手荒れをしないように考慮されて作られていますが、

食器洗いの頻度、手をよく使う仕事、季節などの環境により、手にだんだんとダメージが蓄積していきます。

手荒れを改善したくて比べた3種類の洗剤の感想

冬場の洗い物では手が荒れ気味になってしまう方も多いのではないでしょうか。

近年とくに手を洗ったり消毒する機会が増えて、洗い物の後にだんだん手がヒリヒリするようになってきたんですよね

そこで手にやさしそうな洗剤、下記の3種類を試してみたので、使い心地などを紹介します!

・SARAYA ヤシノミ洗剤
植物由来の原料で手にやさしいとうたわれている

・ミヨシ 無添加食器洗いせっけん
純石けん分のみで出来ている

・とれる・NO1
界面活性剤を使用せず、微生物によって汚れを分解する

SARAYA ヤシノミ洗剤

ヤシノミ洗剤は、どこの日用品売り場でもたいてい見かける商品。

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私が使ってみて感じたことは、

・身近にある商品で購入しやすい
・手肌への刺激少なめ
・他の商品とあまり変わらない価格帯
・泡切れが良い
・無臭

・泡立ちが少なめ
・洗剤がサラサラで流れ落ちやすい
・しつこい油汚れは落ちにくい

成分

界面活性剤成分は16%(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、脂肪酸アルカノールアミド)。

台所用合成洗剤は、界面活性剤成分が30%の前後入っているものもあるので、16%のヤシノミ洗剤は少なめに感じます。

匂い

無臭です。

肌への刺激

泡立ちよく油汚れもスッキリ洗えるので、以前は界面活性剤が30%以上入っている商品を使っていました。そういった商品からヤシノミ洗剤に変えてみると、使用後のヒリヒリ感はだいぶ和らぎました。

ただ冬場はお湯を使うため乾燥しがちで、皮膚が刺激に弱くなり少しヒリヒリを感じました。

泡立ち

泡立ちはサラッとしていて泡切れが良くすすぎやすいのですが、その分泡は長持ちしなかったり、油物を洗うと泡立ちが消えやすかったりして、汚れ落ちが悪くなる印象です。

泡立ちよく洗えれば、食器もスッキリ洗い上がります。

環境への負荷

原料が石油由来ではなく、ヤシの実由来という部分が皮膚や環境へのダメージが少なさそうな印象です。

合成洗剤でよく使われている界面活性剤「 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)」よりも、ヤシノミ洗剤の成分「アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(AES)」は生分解性が高いということです。

ミヨシ 無添加食器洗いせっけん

ミヨシの無添加食器洗いせっけんは、香料、防腐剤など入っていない純石けん。

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私が使ってみて感じたことは、

・泡立ちが良い
・泡切れが良い
・安い
・肌への刺激少なめ
・環境へのダメージ少なめ

・汚れが再付着しやすい
・ヌルヌルして洗いにくい
・洗剤がサラサラで流れ落ちやすい
・石けん独特の匂いが少しある
・石けんカスがでる

成分

界面活性剤成分は、純石けん分28%のみ。

匂い

石けん独特の匂いが少しだけあります。

肌への刺激

使用後のピリピリとした痛みはありませんでしたが、肌が乾燥してツッパる感じはありました。

一般的に石けんは、合成洗剤より皮膚への刺激が少ないとされていますが、ノーダメージではないようです。

泡立ち

洗剤の量が少ないと全然泡立ちませんが、適正な量の洗剤だと泡立ち良く使えます。石けんはしっかりした泡立ちがないと、汚れ落ちが悪くなります。

最初に使用したは何も考えず、合成洗剤と同じように使っていたので、汚れがスッキリ落ちませんでした。

石けんは溜め水で洗うと、汚れが食器に再付着して、いつまでも油汚れが取れません。スポンジに油汚れが付いているな、と思ったら、流水で流してからまた洗剤をつけて泡立てます。

スッキリ洗う自分なりの方法ですが、
スポンジでよく泡立ててから食器を洗い(油汚れは後のほうに洗う)、全部の泡を流水で一度サーっと流してから、個別にすすいでいくと、気持ちよく洗えています。

それでもキュッキュとならない場合もあります。

私自身は、食器に指紋が残るほどでなければいいかな、という大雑把な人間なので、すっきりキレイにしたい!という人には、洗浄力に不満があるかも知れません。

洗っている最中は、かなりヌルヌルします。食器が手からすべり落ちないよう注意しながら洗わないといけないほど。

環境への負荷

石けんは合成界面活性剤よりも生分解性が高いので環境への負荷は少ないように思いますが、

洗剤の使用量が多くなりがちだったり、有機物の排出量が多めだったりと、考慮すべき点はあるようです。

素人考えですが、太古の昔から途切れず使われてきたものだから、環境にそこまでダメージは無いのでは?と思っています。

地球洗い隊 とれる・NO1

とれる・NO1は、界面活性剤ではなく、微生物で汚れを落とすというもの。

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洗浄には界面活性剤が必須だと思っていたので、どんなものかと驚いて、つい購入してみました。

私が使ってみて感じたことは、

・環境に良い!
・手が荒れない

・きれいに落とすにはコツがいる
・価格が高い
・洗剤の取り扱いに手間がかかる
・粉タイプでは吸い込むと刺激がある

成分

有益微生物、米ぬか、フスマ(小麦から小麦粉を作るときに出るクズ)。

匂い

米ぬかなどの匂い。粉末は吸い込むと鼻腔に刺激を感じます。洗い上がりは無臭です。

肌への刺激

使用後には、ヒリヒリ感もツッパリ感もありませんでした。界面活性剤が入っていないので、皮膚への影響はあまりなさそう。

泡立ち

使用方法を見ると、食器洗いには粉末タイプを湿らしたスポンジに少しつけて洗うとのことですが、

私は粉末と水を器に入れて少し置き、その水でスポンジを湿らせて泡立たせてから洗っています。

泡立ちはスポンジの種類にもよりますが、界面活性剤入りの洗剤ほどは泡立ちません。

泡立たせないでも汚れは落ちるらしいのですが、長年のクセなのか、泡立たせた方が私はスッキリ洗えた気分になります。

油汚れはギトギトのままだと落ちないので、拭き取って桶などでつけ置きしてから洗うとスッキリします。

石けんの洗剤とは使い方が逆で、とれる・NO1はつけ置き洗いをする方が油汚れが落ちやすいです!

環境への負荷

界面活性剤という化学物質の排出が、環境汚染問題になっています。

とれる・NO1は、微生物により汚れを分解する洗剤で界面活性剤を使用していませんので、環境への負荷はとても少なさそうです。

界面活性剤は汚れを包んで流す役割。
流れた汚れは下水処理場で微生物が分解するのですが、とれる・NO1では、洗った時点で汚れの分解を行うというわけですね。

化学物質は種類により分解が遅かったり、下水処理場が無い地域ではそのまま排水されることもあり、川や海など環境中に長く残る場合もあるとされ問題になっています。

使い方などの詳しい情報は公式サイトでご確認ください。

洗剤の種類

洗剤は、おもに界面活性剤の作用により汚れを落とします。界面活性剤の作られ方で、洗剤の種類にも違いがあります。

(純)石けん:天然の植物や動物の油脂とアルカリ性物質を混ぜてできるもの。

合成洗剤:石油や天然油脂などの工業原料によって人工的に作られた合成界面活性剤を使ったもの。

複合石けん:石けんと合成洗剤を混ぜて作られたもの。

皮膚への影響が大きいのは、

合成洗剤>石けん

生分解性(微生物の働きにより自然界へ循環しやすさ)が高いのは、

石けん>合成洗剤

界面活性剤は、アニオン系(陰イオン)、カチオン系(陽イオン)、両性系、非イオン性という種類があります。

これは水に溶けた時に、陰イオンや陽イオン、両方のイオンまたはどちらのイオンにもならないもので分類されています。

私たちが洗剤として使うものはアニオン系の界面活性剤が多く、泡立ちが良くて洗浄力が高いという特徴がありますが、肌への刺激は非イオンより高くなっています。

界面活性剤は洗浄だけではなく、化粧品や食品などに乳化剤として使われていたり、帯電防止剤であったり、広い用途で使われているとても身近なものです。

石けん

石けんはアルカリ性

石けんは弱アルカリ性です。反対の性質である酸性の油汚れをよく落とします。

歴史は古く、約1万年前に誕生したと言われていて、太古から洗剤として利用されてきました。羊を燃やして出た脂と、燃やす時に使った木が灰になったものが染み込んだ泥で洗うと汚れが落ちるとして発見されたという話です。

石けんの原料

固形石けんは、動植物の油脂と水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)で、液体石けんは、動植物の油脂と水酸化カリウム(苛性カリ)で作られていて、

それらを加熱して脂肪酸ナトリウム・脂肪酸カリウム(石けん)とグリセリンに分解することを鹸化(けんか)反応といいます。

グリセリンは保湿成分であり、化粧品に使われていることが多いですね。

普段私たちが使う固形石けんは、「化粧石けん」と呼ばれるものが多いそうで、香りや色、保湿剤などが添加されています。添加物によっては肌に刺激がある場合も。

何も添加されていないものは「純石けん」となっています。

合成洗剤

合成洗剤はアルカリ性、中性、酸性と多種多様

合成洗剤は、弱アルカリ性、中性、弱酸性、と様々な性質がありますが、キッチンで使われる洗剤には中性が多いようです。

合成洗剤の原料

合成洗剤は合成界面活性剤や添加物などを複数混ぜ合わせることによって出来ています。

合成界面活性剤は、石油化学製品が原料の石油系と、動植物油脂が原料の天然系とに大別されます。

合成界面活性剤は、石けんよりも界面活性の作用が大きく(汚れが取れやすい)なっています。

合成洗剤は、数種類の合成界面活性剤を混ぜたり、界面活性の働きを助けるビルダー(助剤)や酵素、香料などが加えられていることも。

洗濯用の洗剤の表記をみると、界面活性剤成分が50%以上。直接手に触れない洗剤には濃度が濃くなっているんですね。

昔、洗濯洗剤を直接スニーカーに付けて、素手とブラシでゴシゴシ洗っていました…

食器洗いを手荒れしないようにスムーズに行うには

今回比べてみた3種類の洗剤は、ゴシゴシ洗ってどんな汚れもキュッキュときれいになる!というタイプの洗剤ではないと感じました。

3種類の洗剤を使う以外にも、手荒れを防いでスムーズに洗い上げる方法を、いくつかあげてみます。

ゴム手袋をする

やはり物理的に皮膚への刺激をシャットアウトするのが良いので、手荒れがひどい場合にはゴム手袋が一番!

洗浄力の強い洗剤でゴム手袋をして一気に洗い上げる方がストレスがないかも知れません。

細切れにしょっちゅう洗い物をする場合は、手袋をつけたり外したりと面倒なので、シンクにある程度ためて一気に洗うのが良さそう。

しかし時間が経つと、汚れがさらに落ちにくくなるので、洗剤の量が増えたりすすぎに時間がかかったりしてしまいそうです。

とはいえ、手荒れが進行してしまった時には、洗剤に手をさらさないゴム手袋一択だと感じています。

食器洗い機を使う

洗剤を使って洗うことが少なくなり、時短や水の節約にもなる優れモノ。食洗機を使えば、食器洗いのストレスがだいぶ減りそうです!

ネックは初期費用とキッチンの環境ですが、工事のいらないタンク式タイプやコンパクトなタイプもありますね。

賃貸暮らしの私には、希望するサイズの食洗機置き場の確保が厳しいし、購入には数万円かかるので、なかなか手が出ません

手にやさしい洗剤、油汚れはひと手間かける

一般的に油汚れの強いものを洗うと、泡立ちが少なくなり洗浄力も落ちます。手にやさしい洗剤はさらにその傾向が強く感じます。

スムーズなお皿洗いには、油汚れをあらかじめキッチンペーパーなどで拭き取ることが基本ですね。

そのうえでヤシノミ洗剤では、

ぬるま湯1ℓにつき洗剤小さじ1/2で洗い桶の中で洗う。

とれる・NO1では、

洗い桶の中に適当にぬるま湯を入れ、小さじ1程度の粉タイプを入れ30分ほどつけ置きしてから洗う。

という方法でスッキリ洗い上がりました。

石けん洗剤の場合、桶で水を貯めて洗うと汚れが再付着してしまうので、つけ置きも貯め水洗いもしません。

あと大切なのが、洗剤は適量を使うこと。

洗剤が少ないと、汚れ落ちが悪く2度手間になり、洗剤が多いと、汚れ落ちはあまり変わらずに洗剤残りが増え、すすぎに時間がかかります。

界面活性剤の濃度が一定以上になると、汚れを取り込みやすくなる「ミセル」という集合体を作ります。ミセルが適正な濃度になるよう、メーカーによって洗剤量を決められているので、汚れを落とすには適正量を使うことが必要です。適正量はたいてい洗剤ボトルの裏に記載されています。

洗剤を使わずキッチンペーパーで洗う

洗剤を使わずに水だけで洗うのでも、意外とキレイに洗えます。

ずっと洗剤を使っていると、水洗いだけというのが気持ち悪く感じるかも知れません。

しかしキッチンペーパーと流水でキュッキュと拭きながら洗ってみると、スッキリ洗い上がることに気付きます。

ペーパーの繊維が汚れを絡め取ってくれたり、指では届かない細かい隙間の汚れも取れたり。

私の場合、キッチンペーパーは、
スコッティファイン洗って使えるペーパータオル
を使っています。

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洗ってくり返し使えるので、

食器用ふきん→食器洗い→台ふきん→ガスレンジ周りや部屋の拭き掃除→ゴミ箱ポイ!

という流れで大活躍しています。もう手放せません。

油汚れや生モノの汚れは洗剤を使いたい場合もありますが、ちょっと使ったスプーンやコップなどはペーパー水洗いで十分にキレイになると感じました。

食品カスや匂いが食器に残っていなければヨシ!としています。

すすぎに時間をかけなくていいので、水の節約にもなりますね!

スポンジは泡立ち重視のもの

手にやさしい洗剤を使うときは、泡立ちを重視のスポンジを使うことで、洗い物がよりスムーズになりました。

私は「オーエ 新感覚スポンジ」を使っています。

スポンジの目が荒く良く泡立ち、持った時に柔らかさと弾力を兼ね備えているので使いやすい!

丈夫なので、お湯で消毒しても長持ちします。スポンジの耐熱温度は90度。朝コーヒーを淹れる時多めにお湯を沸かして、ついでにスポンジの除菌をしたり。

個人的に少し難点なのは、購入場所が限られていること。

このスポンジ、わたしの生活圏ではOKストアにしか置いてなかったんですよね

他の目の荒い泡立ちが良さそうなスポンジも試してみましたが、使い心地がイマイチで結局また「新感覚スポンジ」に戻りました。

↓こちらは未購入ですが、同じくオーエさんのスポンジで泡立ち良さそう。

新感覚スポンジだと、目の荒いスポンジにサラサラの洗剤が流れ落ちやすいのですが、

キレッシュダブルスポンジだと、3層になっていて、洗剤がスポンジ内にとどまりそうです。

環境への配慮

毎日ジャブジャブ洗剤を使って洗い物をしていると、排水がどれほど環境に影響を与えるか、気になってきます。

下水処理である程度は浄化されているというものの、界面活性剤の種類によっては環境中に長く残るものもあると言うことで、

その影響は私たちの代では分からないかも知れませんが、子どもたちやそのまた子どもたちの代では未知数です。

特に環境ホルモンは、体に入ってホルモンのような働きをするので、人体に悪影響があると言われています。

環境ホルモンと言うと、プラスチックから溶け出すものと言うイメージですが、洗剤などの化学物質の中にも含まれています。

楽に食器洗いをしたいけど、なるべく環境へ影響の少なさそうなものを使いたい

色々考えると、何を使っていいのか分からなくなりますが、人にやさしいものは環境にもやさしい傾向があると思います。

手荒れをふせぐ洗剤や食器洗いのまとめ

多くの人が毎日行う食器洗い。少しでも手荒れを防ぎつつ、ラクに済ませたいですよね。

今回ご紹介した3種類以外にも、各メーカーが研究した手にやさしい洗剤はたくさんあります。

この記事が、食器洗いを快適にする一助になれば幸いです。

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参考図書
『すっきりわかる!くらしの中の化学物質大事典』くもん出版2011年1月発行
日本産業洗浄協議会編『わかりやすい界面活性剤』工業調査会2003年9月1日発行
前野昌弘『図解 やさしくわかる界面化学入門』日本工業新聞社2014年9月25日発行

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